最近「[自然農法]わら一本の革命 著:福岡 正信」と
いう本を読んだ。福岡正信氏は不耕起・無肥料・無農薬
・無除草にして多収穫という自然農法の第一人者。
何もしないことで豊かな実りを得る、という一切無用論
を唱えている。
本の中で一番印象に残ったのは「自然」と「放任」の
違いについて。初めて福岡氏が自然農法を試みたとき、
ミカン山を何もせずに放置したら、木々は病気になり
枯れてしまったことから、彼は"すでに人間がバランスを
崩してしまった状態で放っておいても、いい状態には
戻らない"ことを知ったという。
まずは不必要なものを取り除くことができる土台を作ら
なければならない、という考えに納得。人間のからだも
まさに同じで、バランスの崩れた状態で放置してしまうと
どんどん悪くなるばかり。まずはいい状態を作ってから
不必要なものをマイナスしていけば、バランスの崩れ難い
からだになる。
いい状態を作るために、現代の人間はマイナスするのでは
なく、プラスしたほうがいいと考えてしまうことが多い。
エコとかオーガニックという言葉の裏に胡散臭さを感じて
しまうことがあるのはそのせいかもしれない。
エコだからオーガニックだから良いといって、食べ物や
化粧品などなど新しいものがどんどん作り出されて、
必要な物が増えてしまうのは何かが違う気がする。
栄養学的なカロリーや成分分析にとらわれすぎず、そのとき
自分のからだが求めている材料を選ぶ力を身につけること。
左:P198より 四季の色、食物の色(陰陽表)
右:P200より 食物のマンダラ図
自然に帰ることを実践すれば、東洋思想的な陰陽やマンダラ
さえ不必要になるとか。
「自然」と「放任」の違いは、子育てでも気をつけたい
ところ。教育や知恵にとらわれると、本来もっている力を
無くしてしまいかねない。
人間の知恵、労働、学術的なことをあっさりと否定する内容
はヒッピー的な要素もあって興味深い。働いて、自分の知恵
で何かを作り出して、お金を稼ぐという生活スタイルが
実は人間らしくなくて、自然にとって無駄なものを生み出して
いる...私たちがクリエイティブで役に立っている、と思い
込んでいることは幻想...そんな考えも心の隅に留めておくと、
新しい暮らし方が見えてくるかもしれない。
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