Yと息子に別れを告げ家を出ると、空は曇りひとつない青。
休日の雰囲気漂う江ノ電が走り出し、小旅行の始まり。
授乳中は着ることのできない、髪に、肩に、 重さを感じる
服を選んだ。ウールの帽子、 ダッフルコート、ワンピース、
編み上げブーツ。
バッグの中には今までなかなか読み進まなかった小説。
白く光る車体が空間を駆け抜け、身体を移動させていく。
ひとりで飲む紅茶、ひとりで食べる昼食…すべてが非現実的で、
ふわふわと宇宙に浮いているみたい。
旅先で久しぶりに見た母の笑顔は何だか眩しかった。
マッサージした足は温かくて、確かに血が通っていた。
何にも替え難い大切な時間。
帰りがけに母が私に「そのコート、 かわいいね。」と言いながら
コートについた埃を払ってくれたとき、 私は急に幼いこどもに
戻ったような気持ちになった。
くすぐったいような、切ないような、 どこかに大切にしまいたい
ような気持ち。
夕焼けの中ひとりバスに乗ると無性に家が恋しくなった。
歩き慣れた街に帰り、 家のドアを開けるとふたりの笑顔が。
服を脱ぐと身体は軽くなり、やっと現実に戻った気がした。
Yの作ってくれた鍋から立ち上る湯気に包まれ、ありがとうが積もった夜。
服を選んだ。ウールの帽子、
編み上げブーツ。
バッグの中には今までなかなか読み進まなかった小説。
白く光る車体が空間を駆け抜け、身体を移動させていく。
旅先で久しぶりに見た母の笑顔は何だか眩しかった。
マッサージした足は温かくて、確かに血が通っていた。
帰りがけに母が私に「そのコート、
コートについた埃を払ってくれたとき、
戻ったような気持ちになった。
ような気持ち。
夕焼けの中ひとりバスに乗ると無性に家が恋しくなった。
服を脱ぐと身体は軽くなり、やっと現実に戻った気がした。
Yの作ってくれた鍋から立ち上る湯気に包まれ、ありがとうが積もった夜。
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