寒い寒い冬は遠くへ去り、春が到来した様子。
季節はパタッと音をたてるようにいつの間にか変わっています。
最近自分だけの時間といえば、息子の昼寝中と夜寝かしつけた後の入浴中。
一緒に昼寝してしまうこともよくあるのですが、インターネットや読書で
なるべく気持ちを切り替えるようにしています。
今までは歴史小説やドキュメンタリーばかり読んでいたのですが、近頃は
さらりと読める、短いうえに登場人物が少なくて、心にすーっと入る小説を
読んでいます。自然にからだがそういうものを求めているようです。
先日やっと読み終えたのは、トルーマン・カポーティの「ティファニーで朝食を」。
映画も見たことがないのですが、原作と映画はだいぶ違うようです。主人公の女性
ホリー・ゴライトリーの奔放な振る舞いの裏に見え隠れする、孤独や繊細さが素敵
でした。ニューヨークからリオに旅立つ最後の場面がやたら印象に残っています。
その前に読んだサリンジャーの「キャッチャー・イン・ザ・ライ」もそうでしたが、
いわゆる名作と呼ばれるものって、今だから「名作」といわれるけれど、出版当時は
すごく斬新で異端だったはず。読む前は「クラシックで古めかしい内容なのかな」
なんて思っていたのですが、今読んでもなお新しいと感じました。
バカに出来ません、名作。
そうそう、4月に来日公演が決定したエリカ・バドゥのことを考えたら、ちょっと
ホリー・ゴライトリーを思い出してしまいました。ふたりともニューヨークで奇天烈な
生き方をする美しい女性だからかな。今からライブが楽しみです。
春は私と息子にとっても新しい生活がスタートする季節。今よりもばたばたして
しまいそうだけど、積極的に文章や音に触れる時間も作っていきたいと思います。
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