義母から今年も届いたチューリップ。同じ花を見たら昨年の今頃を
思い出しました。もしこれが造花で1年中咲いていたら、開かれる
ことのなかった記憶の扉...。
先日図書館に行ったら詩のコーナーが目に入り、手に取ったのは
高校生以来お目にかかっていなかった「ランボー詩集」。
夏や冬のきりりとした空気の中ではなく、春や秋のぼんやりとした
微妙な空気の中だからか、思わずページを捲りました。
15年たったというのに、一番心にひっかかるのはやっぱり「永遠」。
気狂いピエロのせいなのか、ほかの難解な詩に比べて読み易いからなのか。
小説以上に詩は訳す人によって印象が変わるよう。
今回見たのは堀口大學氏の訳。
永遠
もう一度探し出したぞ。
何を?
永遠を。
それは太陽と番った海だ。
待ち受けている魂よ、
一緒につぶやこうよ
空しい夜と烈火の昼の
切ない思いを。
人間的な願望から
人並みのあこがれから、
魂よ、つまりお前は脱却し、
そして自由に飛ぶという...。
.....
小林秀雄氏の訳だとまた少し違う印象。
また見つかった、
何が、
永遠が、
海と溶け合う太陽が
海と溶け合う太陽、素敵な表現。
日本語だとどうしても固い感じになってしまう気がします。
それでもしっかり伝わる、言葉の錬金術師の熱い魂。
永遠という感覚・言葉は人間だけにあるもの。この世は諸行無常
と分かっていながらも、どこかで永遠を願い探し出す人生という旅。
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