麓の呼吸が停止してから、数日間は、
もっとはやく気付いていれば…
もっとたくさん抱っこしてあげればよかった…
と悔やんでばかりでした。
自分の腕の中で呼吸停止したことがとてもショックで、
何度もその光景が頭に浮かび胸が痛みました。
でもそれを家族に告げたとき、「お母さんの腕の中で
最期のときを過ごせたなんて、本当によかったね。
優しい子だね。」と言われました。
同じ先天性横隔膜ヘルニアという病気でも、死産に
なってしまう場合や、手術と長い治療の末に病院で
亡くなってしまう場合もあるそうです。
確かに他の人の腕の中や、保育器の中や、ひとりで
寝ている間に亡くなっていたら、もっと悲しかったし、
やりきれなかったと思います。
出産までは三人が当たり前だったのに、三人でいると
ぽっかり大きな穴が空いているような日々。
3140gの小さな命がこれほど私たちに大きな意味を
与えていたことに改めて驚きます。
それでも友人たちの暖かい言葉のおかげで、私たちは
歩きだし、普段通りの生活に戻ることができています。
メッセージを送ってくれた皆さん本当に本当にありがとう。
からだもだいぶ回復し、今日は1日笑顔で過ごしました。
人間って不思議なもので、自分に悲しみが訪れたとき
「自分よりつらい人は他にもたくさんいる」と知ることで
とても慰められる。
初めてのお産で流産・死産した人もたくさんいる。
病気ではなくあきらめきれない理由で子供を失った人も。
今回の震災で、いまだ家族を探し続けている人もいる。
上を見ても下を見てもきりがないのだけれど...
私たちは幸せだと思う。
愛する人や守るべき存在がそばにいるから。
もう一度動き出すために
もっと幸せを築くために
また新しい命と出会うために
私たちは鹿児島を去る準備を少しずつ始めました。
麓が導いてくれたこの地。
私たちはきっとまたここに来ると思います。
そのときには、とっても優しく穏やかな気持ちで、
麓のことを語り合えるといいな。
小さな手で、小さなからだで、たくさんのことを
伝えてくれた命。
つないでつないで生きていこう。
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