我が家のベランダは、家を建てたとき、とある事情により
半分しかありませんでした。あとの半分は、窓はあるのに床がない
非常に危険な状態。窓を開けて外に出たら、そのまま真っ逆さまに
地面へ落ちてしまうという恐ろしい場所。
1年以上たって、やっとやっとベランダが完成しました。
今まで息子が窓から落ちないように、ぴったり窓の前に
置いていた大きなベビーベッドとも、もうお別れ。
麓が眠るはずだった場所を片付けてしまうのは、少しさみしい
けれど・・・またいつか使える日が来ると信じて。
ベビーベッドに放り込んでいた、洗濯用のハンガーやらを
入れるためのカゴが我が家にやってきました。
とても美しいアケビのカゴは、繊細で、力強く、やさしい。
一言でカゴといっても、世界そして日本には地方によって様々な
カゴがあります。日本の中でも東北と九州では堅さや編み方が
全然違うそうです。生活に密着した道具。人々の知恵。
その魅力に最近ようやく気付くことができました。
おてふき入れは、お懐紙をしいてお菓子を入れても
素敵です。こういうのをさささ、と作れるなんて羨ましい!
足付きのくずかご。使っているうちに色が変わってくる
のも、竹など木製品の魅力です。不揃いな自然。
我が家の床もだんだんと色が変わってきました。
コーティングしてある木の床と違い、裸の木には温もりが
あります。常に呼吸し、変化し続けるものたちに囲まれて
暮らすおもしろさを、この家のおかげで知りました。
道具やモノにも、なんというか、性格があって。
私たちが今にも壊れそうな古い車に乗っているのは、
「機械的」で「間違いない」感じから距離を置きたいから
かもしれません。
家も、家具も、車も。付き合っていく、という意味では
人間と同じ。思いを込められるかどうかはとても大事。
麓もきっと、この家を気に入ってくれてると思います。
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