普段テレビのない生活をしていると、テレビの中で
起こっていることを、割合客観的に眺められることに
気づきました。
鹿児島で久しぶりに昼下がりのテレビ番組を見ていたら、
CMのほとんどが生命保険、特に医療保険。ターゲットは
その時間にテレビを見る暇がある65歳以上の癌に備えたい人。
人間にとって、生まれて歳をとり病になって死ぬのは
最も自然なことであるのに、現代ではそのすべてに
お金が絡んでいて、不自然なものになってしまいました。
自然なことであれば、それが予測不可能なのは当然なこと
だけれど、現代人は生老病死から逃れようと必死です。
CMでも「万が一に備えて」と、あたかも病気や死が
滅多にやってこないもののように言っていました。
予定出産、整形、生命保険、お墓の購入、延命処置…
最も自然で予測できないはずの生老病死にまでも、
お金を払って備えることで安心を手に入れようとする私たち。
先日読んだ本の中に「病を得て死ぬ」という表現があって、
これはいいなと思いました。
病にならずに死ねるほうが珍しいことで、ほとんどの死は
病によるもの。老いて弱れば、病になるほうが自然
なのですね。
病や死に方は日々の衣食住働に拠るところが大きいので
なるべく自然に世を去るためには、やはりなるべく
自然に生きてみるのがいいように感じます。
考え過ぎず、徒然なるままに。
そこらじゅうに溢れる問題は、ややこしそうに見えて
実は単純であることが多いもの。
テレビの声ではなくからだの声を聴き、心と脳を
解放しながら日々からだが動くままに生きたいと
思いました。
最近のコメント