ナマケモノ倶楽部を設立した辻真一さんの著書
「スロー・イズ・ビューティフル」を読み始めました。
最近はスローライフ、スローフードという言葉が何となく
おしゃれに使われていますが、本当に実践できているひとは
なかなかいないと思います。経済活動が活発なところには
真のスローライフはないような気がします。
だらだら怠けてないで、生きているうちになにかに打ち込んだり
やり遂げなきゃ意味がない...という生き方。決して否定は
できないし、すごいなあと思うけれど、その活動によって
周囲の人々や環境に大きな影響を与えていて。結局は急がず
静かに山奥で自給自足で暮らしている人が一番自然のサイクルで
生きているんだよなー、というところに思いが至るのです。
なるべくいいことをして、与えている悪影響に目を瞑ろうと
している...こういう本を読むといつも自分のなかにある
矛盾を発見してしまいます。
便利になったのに時間がないと思ってしまう現代。
マクドナルド、電化製品、ラブホテルが象徴するファースト
フード、ファーストライフ、ファーストセックス。時間を
節約するほど、健康も快楽も命は短くなるばかり。
本の中でときどき紹介されるいろんな詩をご紹介。
ぼくは雨を信じる。思いもかけない奇蹟が起こるっていう
可能性を、そして地球を迷いもせずに縦断してみせる極地の
鳥たちの知恵というものを、ぼくは信じる。
ポール・ホーケン「ゴールド・イン・ザ・シャドウ」より
からだの中に
ああからだの中に
私をあなたにむすぶ血と肉があり
人はそれ故にこんなにも
ひとりひとりだ
谷川俊太郎「からだの中に」より
年寄「いい若者がなんだ。起きて働いたらどうだ」
若者「働くとどうなるんですか」
年寄「働けば金がもらえるじゃないか」
若者「お金がもらえるとどうなるんですか」
年寄「金持ちになれるじゃないか」
若者「金持ちになるとどうなるんですか」
年寄「金持ちになれば、寝て暮らせるじゃないか」
若者「はあ、もう寝て暮らしてます」
多田道太郎「怠惰の思想」より
辻真一さんのプロフィールにも興味が沸きました。黒人文化
やハーレム・ゲットーに関する著書もいくつかあり、本の中
でもアートブレイキーやウェインショーターの名が登場。
ジャズやブルースに詳しそうです。これを機に芋づる式に
読んでみたくなりました。
スロー子育て、してみようかな。と思った秋の夜。
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