今日は雨。
写真は鹿児島の庭で咲いた薔薇に降る雨。
ジョビンの曲を思い浮かべました。
バラの花々をうるおし
創造する恵みの雨
大地をうるおし 川を満たし
空を澄ませて 青くする
誰に見せるためでもなく、庭にひっそりと咲き、
雨にうたれる薔薇。
今日は友人が麓に会いにきてくれました。
いろんなことを話せる友人が来てくれるだけで、
心が落ち着きました。
私たちのほかにも麓のことを想ってくれる人がいる
と感じることは、とても心強いです。
私のことを気遣って一緒に悲しんでくれる友人。
時が経つのを待ってメールをくれた友人。
静かに見守ってくれている友人。
皆の存在を感じています。
麓の死がはじめにもたらしたのは、「ごめんね」
の気持ちだったけど、いまは「ありがとう」に
変わっています。「麓がかわいそう」という気持ちは、
「麓を誇りに思う」に変わっています。
それは私にとって大きな進歩です。
前回の記事に書いた「誕生死」という本は、
読んだ後ただただ悲しくなってしまったのですが、
新たに吉村正さんの「いのちのために、いのちをかけよ」
を読んで、少し明るい気持ちになりました。
昔ながらの自然なお産にこだわりつづけ、クスリも
医療機器も使わない吉村正先生は、「お産における死」
について「生きるものは生きる、死ぬものは死ぬ」という
哲学的思想が根本にあるといいます。
麓の病気はどうしても医学の力を借りなければ
助かりませんでした。もちろん助かってくれたら
よかったのですが、人間の手の及ばない、運命の
ようなものもあったんだと思います。
麓の生と死は、人間がそもそも不完全であることも
教えてくれました。特に出産においては、自分の
思い通りには決していかないのだと…
50年前の日本では、死産は35人にひとり、妊産婦死亡は
600人にひとりの割合で起きていたそうです。
アフリカでは今でも約120人にひとりのお母さんの
いのちが犠牲になっているそうです。それくらい
命を産むことは命懸け。だから命が尊い。だから女性は
命を育てるために人生を懸けていいんだと思います。
でも現代社会においては、それが二の次になってしまって
いることもあります。
この本を読んで、自分の人生について、じっくり
考えてみたいという気持ちになりました。自分の心を
縛っている様々な不安から解放され、ビクビクせずに
出産や子育てに臨むために、どう生きるのが一番いいのか…。
まだまだ不安は付き纏うけど、確実に前に進んでいる気が
しています。自分の価値観や生き方を問う機会を与えてくれた
麓に、またまた感謝して一日を終えたのでした。
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