ジャムを作りながら思う。
昔は全部、自分の手で生み出していたことを。
手仕事に興味をもってから、ますます見直している江戸時代。
いままでは「士」が興味の対象だったけれど、手仕事となると
「農」、そして庶民の生活が気になる。
江戸時代の生活様式に関する本を読んで、改めて感じたのは
人間のからだにとって、今の時代が便利すぎるということ。
私たちは何万年もの間、今からすれば「不便」な生活を過ごして
きた。人間のからだは百年単位で進化するわけではないから、
今でも人間は手と足を動かして生活するようなからだを持っている。
動物を追いかけて狩ったり、どんぐりを拾い集めていたときのからだ。
ランニングがブームになるのは、自然なことのような気がする。
便利すぎる生活に悲鳴をあげているからだに、気付いていない心。
豊かさ、貧しさ。
現代の貧しさには悪循環がつきまとう。
盗み、麻薬、争い。世界中で起きている悪循環。
江戸時代、幕府は阿片(麻薬)を禁止していなかったにも
かかわらず、麻薬常用者はいなかったらしい。
清貧という言葉が思い浮かぶ。その日その日をいっぱいに
一切を無駄にせず生きていた人々。
江戸時代の人は老後のことをほとんど考えていなかったという。
産後赤子が生まれてすぐに息を引き取ってしまっても、産婦が
生きていることを7日目の夜に祝ったらしい。
それくらい、出産で死んでしまう母子が多かったそうだ。
生きているだけでありがたいことを、ただただ感じる生活。
生きていくことが本当に大変だということも、身にしみる生活。
もう戻ることはできないけれど、このからだがどこかで覚えている
本来の生活を少しでも取り戻せるように。試みようと思います。
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