最近家ではすっかりインターネットから遠のいてしまい、
何をしているかといえば、眠気につつまれているか、本を
読んでいます。
たまたま2冊の興味深い本が手元にあり、普通なら1冊ずつ
読むのですが、タイプが違いすぎるのであえて交互に
読んでいます。その日の気分に合わせられるし、疲れない
ような気がするのです。
その2冊は、
「春になったら苺を摘みに」梨木香歩
と
「落日燃ゆ」城山三郎
どちらの著書も初めて読むものです。
初めて読んでいるのに、とても面白く、どちらの著者にも
共感を抱けるのは、本をすすめてくれた2人が、私のことを
理解してくれているからだと思います。
前者は著者が学生時代を過ごした英国での体験を綴った
エッセイ。でも、エッセイと呼ぶのに違和感を感じるような
示唆にとんだ内容。生き方を貫くことについて問いかける
深い文章に、著者の繊細さと知的さを感じました。
一方後者は、東京裁判で絞首刑を宣告されたA級戦犯のうち、
ただ一人の文官であった元総理、外相広田弘毅についての
生涯を描いた小説。私の苦手な主観を感じるような内容ではなく
淡々とその時代に起こったことや広田自身についてを書くという
語り方がとても気に入りました。
こんなに違う内容なのに、交互に読んでいるせいか、共通点を
しばしば感じます。
感じ方や書き方がとても客観的であること。
とても情熱的な人生なのに、常に平静を保っていること。
使命を感じ、生き方を貫いていること。
十分に知識を重ねた上での、平和・博愛精神をもっていること。
きっと自分もそんな生き方を求めているのだろうと思いました。
印象に残った文章、いろいろあるのですが、以下
「春になったら苺を摘みに」梨木香歩著
より抜粋しました。
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私はクリスチャンではない。
それなのにこの何十年か頑固な山羊のようにその回りばかり
うろうろしてきた。神を信じているかと単純に尋ねられれば
今でもそのたび真剣に考え込み、「それはあなたの定義する
神という概念による」とまじめに答えてしまう。
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ひとつひとつの物事を真摯に受け止め、学び、熟考し、自分
なりの答えをまた真摯に伝えること。
それは当たり前のようでなかなか出来ないことであり、愛や
情熱を感じることであり、自分がとても深めたいものです。
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