今日もまだこれといった出産の兆候はないままでした。
はやくきてほしいような、きてほしくないような。
初めてのときは、真っ暗闇にとびこむような感じだった
けれど、今回はああなって、こうなって...と色々想像
できるので、頭の中には妄想がいっぱい。
とにかくあまり心配せず、自然のサイクルに身を任せ
痛みを乗り越えたいです。
もしあの「誕生する瞬間」や「自然の一部であること」
や「命を生む奇跡」を誰もが知っていたら、世の中はもっと
いい方向に動くかもしれない。それを経験した母親だから
こそ伝えられることはいっぱいあるような気がしています。
昨日ママ友だちのOさんから、3冊の本が届きました。
私が間もなく出産を迎えることもあり、自然にまつわる
ストーリーを選んでくれたとのこと。
そのうちの一冊、「
空の匂い、海の息吹」をさっそく
読み終えました。
この物語の作者、レベッカ・レイノルズが属している
「アニマルズ・アズ・インターミディアリーズ(AAI)」
は、入院治療を行う医療施設に自然を持ち込むという形式で
教育・治癒プログラムを実施している団体。
生まれながらにしてHIVキャリアのこどもや虐待を受けた
こども、さまざまな障害を抱える人々のいる場所を訪れ、
季節ごとの自然美をともに享受するなかで、心を閉ざして
いる人々が、遠い日の記憶や人間本来の自然の感覚を
取り戻していくというエピソードをまとめたストーリー。
近頃は何を見ても聞いても、今回震災の傷を負った人と
結びつけて考えてしまうようになりました。そして結局
たどり着くのは、「わたしたちがどんなに自然から大きな
ダメージを受けようとも、その自然とともに共存していく
しかない。ときに命を奪う自然は、同時にわたしたちの
命の源であり、幸福の源でもあるから。」という自分なりの
結論。もし実際に自分が被害を受けていたら、そんな考えは
捨ててしまうくらい自然を憎むかもしれない。でも時間が
経てば、結局そこに戻ってくるような気がするんです。
これまで海や山に足を踏み入れ感じてきたことは、人生に
より確かな何かを与えてくれています。
自然を司るのではなく、自然の力を借りながら人間の知恵を
プラスすること。搾取するのではなく、享受する生活への
シフトが、これからの重要なポイントな気がしています。
この物語を読んで、ますますその思いは強くなりました。
心に残った文章をいくつか抜粋。
抜粋ここから--------
私たちはみな自然を通じてひとつに結ばれており、その絆を
通して、自然との一体感や、自分はどんな環境に生きている
のかという感覚を取り戻すことが出来る。<中略>自然界の
サイクルや季節を知っていること-その知識が困難に立ち向かう
ための環境を整えてくれるのだ。
自然に触れるという体験を通じて、私たちは命が相互に関わり
合っていることを目に見える形で理解し、心と五感とをそれまで
よりも密接に結びつけることができる。動物や自然物の生命
を通じて時と接するということは、すなわち時を通じて世界と
接することだ。
自然界と接するとき、人間は世界の半分は必ず暗闇に包まれて
いることを思い出す。たとえ月が満ちていても、地球の半分は
夜明けを待っているのだ。昼間に活動する私たちは、暗闇を
まったく別世界のように感じている。だがその暗闇は、私たち
が生きる世界の立派な要素であり、地球の半分は常に闇に
覆われている。
抜粋ここまで--------
どんな絶望に陥っても、どんなに未来に不安を抱いても、
立ち上がろうと思えるきっかけは「繋がり」なんじゃないかな
思います。人との繋がり、自然との繋がり、世界との繋がり...
自分が世界に含まれた存在で、自然の一部であること。
損なわれていても、障害を負っていても、「完璧な存在」で
あると互いに認め合うこと。
いまこの国が癒されるためには、人と人との繋がりだけじゃ
なくて、自然との繋がりを意識することがとても大切だと
改めて思いました。
素敵な物語を遠いところから送ってくれたOさんに感謝。
3冊のうちの一冊、レイチェル・カーソンの「センス・オブ
ワンダー」は、Oさんのとても素敵なご自宅のイメージに
ぴったり当てはまることに気付きました。そんな魅力的な
感性をもった友人に出会えたのも、こどものおかげです。
家から眺めた夕焼け空。
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